名もなき塀の中の王(2013/イギリス/デヴィット・マッケンジー)

20160206、池袋文芸坐にて鑑賞。友の会に入りました。

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ジャック・オコンネル特集でベルファスト71と抱き合わせで鑑賞。

さほど前情報なしでみたんですが面白かったです!ドキュメンタリっぽい撮り方なんだけど、決め絵は綺麗に押さえてくるクールな印象。余計な説明的カットや台詞がまったくなくてそれもまたスマート。ストーリーはわりとストレートな、愛を知らずに怒りに支配されてる青年の成長物語なんですが、暴力描写も俳優の演技も説教臭さを排除していてとても良かった。

主人公のエリックがカウンセラーを小児愛好者と揶揄するところなんか良かったです。同情と偽善は差別と蔑視と同義ってちゃんと言い切るところで、説教臭さを掻き消す切実さがある。オコンネルは初見だがとても良かったです〜。タロン・エガートンもいいけどこちらもよろしく。オコンネルは、爆発的なエネルギーを体の内側にギュと抑え込める俳優さんすね〜。ぐっと押し黙る表情と、それが表出したときの爆発力がすごかった。硬派なんだけどナイーブさもあり、でもそれをことさらに出すでもなく翻弄される若者を良く表現していたように思う。ちょっとチャニング・テイタム思い出しましたね。あそこまで所在なさげな感じではないけども。

 

エリックの父ちゃん、ムショ牛耳ってるわすぐ怒鳴るわ恋人(メンズ)できてるわ息子には過干渉だわでほんとダメダメなんだけど、タイムリーなことにちょっと清原思い出してましたね。私は。弱くて不安だから暴力に頼るのやな…。
いや、それらのことをしてるからダメダメなのではなく、ダメダメだからそれらのことをしちゃってるってとこがダメダメなのだ。