シャーロック忌まわしき花嫁(ダグラス・マッキノン/イギリス/2016)

20160304としまえんにて鑑賞
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映画というかテレビ映画?で、演出的にうんまあという部分もありつつ、メイン舞台が19世紀ロンドンのゴシックっぽい雰囲気で全体的に暗めなので映画館で見られてよかった。テレビだと暗すぎるのではなかろうか。白状すると、S3がさほど面白くなかったので最後の方の記憶が曖昧だったこともあり、途中のモリアーティとシャーロックの問答の最中でちょっとウトウトしました…。DVD出たら見直します。ライヘンバッハの滝のところはすごくよかったね!
 
なんていうかもうメタのメタのメタのメタって感じで、シャーロッキアンってみんなこうなのかなとクスッとなった。オタクたちの贅沢な遊び。現実の19世紀SH(現実といっても実際は存在しない、でもシャーロッキアンにとって原典が現実だからな)、ワトソンくんの著作物の中の19世紀SH、21世紀シャーロックの中の19世紀SHとワトソンくん、19世紀SHのなかの21世紀シャーロックとワトソンくん、というように、いろんな階層のシャーロック・ホームズが錯綜します。まさにシャーロック・ホームズってそういう存在だよね。わたしは中学生ぐらいまで実在の歴史上の人物だと思ってました。
シャーロック・ホームズとは何かってことを重々踏まえたうえでのパロディでもあり、原典の本質も損なうこともなく、良質なドラマやな~。カンバーバッチもマーティンもちゃんと19世紀と21世紀で違う(けど本質は近い)っていう絶妙な演技をしていて本当に達者だなと思った。
 
シャーロックについては、視聴者がついて元ネタについてこれないかもしれないっていう心配を微塵もしてない振り切れ方が好ましいなと思います。みんな好きだもんねシャーロック・ホームズ。大丈夫。見るたびに原典読みたくなる良いドラマだと思います。
 
その他。レストレードさんは19世紀でもチャーミングでかわいかった。お兄ちゃんは原典どおりちゃんと太ってて迫力がしゅごい…モリーの男装めっちゃかわいい。s4ではモリアーティ帰ってくるってこと??だよね??楽しみです。S3見なおしたほうがいいな。
シャーロックはブロマンスだけどマッチョでホモソーシャルな世界に対する皮肉な視線が常にあって、なんつ~かフェミニンだよねちょっと。出てくる強い女性たちも男性的というよりか賢くたおやかで女である強みを否定しない、なんつーかすごく洗練されてるなっておもいます。
 
会社の同僚のシャーロッキアンに勧めてあげようなと思いました。